平成30年度山祭り 記念山行 鷲走ヶ岳 平成30年11月25日
  2018年11月25日 鷲走ヶ岳(わっそがだけ:1097m)
  参加者:池本・織田・田中・西嶋・八十嶋(50音順・敬称略)
  天気:晴れのち曇り
  鷲走ヶ岳は旧尾口村・鳥越村の境に位置している。
 昔からよほど大事にされていた山だと思う。
 現在の地図では行政区分の境界は描かれていないものの、かつては暮らしを区切る大事なランドマークであっただろう。
 それに風変わりな名前は、書籍などで調べる限り、春に残る雪形が鷲の形に見えることからついたというから、
 季節の指標にもなっていたわけである。愛されていないわけが無い。
 (わっその語源は諸説ありますので)
 私は白山に向かう際にいつも視界にこの山を捉えているにもかかわらず、登ったことが無かった。
 眺望が素晴らしいとも聞いていたので、山々が雪化粧をしたこの時期に上りたいと山行を企画した。
 この日はちょうど山祭りの後の日で、多くの会員が付近に宿泊していたため、人も集まるだろうという目論見もあった。
 果たして、たくさんの先輩方が参加してくださった。最近、支部の山行から遠ざかっていたので、
 仲間たちが来てくれるというのはそれだけでも新鮮で、ありがたかった。
 特に西嶋さんには、帰りの車でも良いお話をたくさんお伺いできました。ありがとうございます。

 今回のルートは東二口の集落から登り、予定では白抜山を通って鷲走ヶ岳に至ろうとするものであった。
 この山、とにかくルートがそこら中にあり、しかもなかなか整備がしっかりしている。
 いかにも里山といった雰囲気で、所の人が足しげく通っている印象を受けた。
 織田さんの話では、かつての国体のときにも一部のルートが使われていたらしい。
 良い道なのは間違いない。ただ、あまりにルートが多すぎる上に地形的にも迷いやすいので、地図・コンパス・GPSは必携。
 特に下りはまよいやすく、降雪してからはルートファインディングの訓練に向くと思う。
 登山を始めてしばらくは、杉林の中を通る急な登り。
 朝日が差して気持ちのいい森だ。稜線に出るとすぐに白抜山が見えたが、なだらかであまりはっきりしない山である。
 しかもルートは、一度山腹の平に降りて、白抜山の肩にわざわざ突き上げさらにピークに行くというもので、
 はっきり言って面倒くさそうだった。
 「楽して山に登っちゃお?」がコンセプトの今回の山行にはそぐわない。
 池本さんいわく、「白抜は何も面白いものが無い山だよ」とのこと。
 そうまで言われては仕方ない。泣く泣く、白抜山は割愛することにした。
 誰も反対しなかったので、ジャスティスは貫けたと思う。
 登山道はあまり稜線にこだわらず、林道や巻き道を歩くこともしばしば。あまりきつくない。
 今回は、歩きに余裕があったせいか、メンバー一同ずっとしゃべりながら歩いていた。
 印象深かったのは田中さんからお聞きした、「ココヘリ」というシステムで、詳細は省くがぜひ支部にも導入したほうがよいと感じた。
 織田さんのいつもの下ネタ話はあまり印象に残りませんでした、すみません。
 林道から、鷲走ヶ岳と白抜山の間のコルの辺りでがつんと稜線に突き上げる。
 ロープつきの急登で足がかりも少なく、落ち葉でずるずるすべるような緊張感のあるシチュエーションが続く。
 しかも標高800mあたりから雪がでてきた。やっと面白くなってきたぜといった感じである。
 と思っていたら、割とすぐに山頂に着いた。
 聞いていた通り、眺望は素晴らしい。金沢の山から白山に至るまでほとんど全ての山々が一望できる。
 肝心の白山だけは残念ながら雲にお隠れあそばしていたが、笈ヶ岳や奈良岳などが雪化粧で迎えてくれた。空も青いし、最高だ。
 ただ気になったのは、山頂の方位盤の巨大さである。
 でかい。あまりにでかい。ロードローラーにしたら一車線らくらく平らにできてしまうではないか。
 そして不自然なほど高さもある。身長の低い人だったら方位盤に何を書いているのか全く分からない。
 すごい。何を目指してこのサイズにしたのかは全く理解できないけどすごい。よく分からない感動を得ることができた。
  景色と方位盤を楽しんだ後は、私が唯一の気合を注入して持ってきた鍋の具を使って、とり野菜ごま豆乳鍋をやった。
 雪の上で暖かい鍋。目の前には青い空と白い山々。最高だ。(方位盤は視界から削除した。)
 先輩方にも振舞えたし、鍋につられてまた来ていただけると嬉しいです。
 この日も、楽しく登山することができた。来てくださった皆さん、ありがとうございました。  文 写真 八十嶋

 
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